〈ゴダール以後〉の新たな挑戦
世界の火薬庫、中近東イスラエルの映画作家アモス・ギタイは、国際社会で難しい立場にある監督として、世界的に認められた数少ない人物です。イスラエルに生まれ育ちながら、イスラエル/パレスチナの「対立構造を批判する」というきわどい戦略をもって人々の度肝を抜き、その過激さゆえ、祖国を離れて活動しなければならない時期もありました。しかし、日本でも本格的戦争映画『キプールの記憶』がロードショウ公開され、評価が高まっています。一方、イスラエル国内では自爆テロが頻発するなど、政情は一向に好転せず、正しい情報もなかなか入ってきません。こうした状況下、イスラエルの現実と本質を伝えるギタイ映画の必要性はますます高まっています。
しかし、ギタイ映画は映像スタイルにおいても世界の注目を浴びています。たとえば、ベルナルド・ベルトルッチは、ギタイの撮影現場に「危険な空気が漂っていた」、そして「詩人の手の中で、カメラは素晴らしい武器にもなれば、危険な凶器にもなる」というコクトーの言葉を引用してその芸術性を絶賛。またサミュエル・フラーは「彼は古代の魔法と現代のコンピュータ化された魔法を一つにする」、フィリップ・ガレルは「彼の映画は崇高だ」というふうに語り、エジプトの映画監督ユーセフ・シャヒーンにいたっては、「ギタイのような勇気ある人物がアラブ世界で評価されていないとすれば、これは呆れた事態だ。彼の挑戦はいつも過激である」と言い放ちます。
第1部 概説
映画作家アモス・ギタイの誕生
ギタイとイスラエルの現在
『キプールの記憶』創作ノート
第2部 対話と証言
アモス・ギタイ インタヴュー
映画監督アトム・エゴヤン(『スイート・ヒアアフター』)との対話
作家アーサー・ミラー(『セールスマンの死』)との対話
スタッフ・インタヴュー:アンリ・アルカン、レナート・ベルタ、他
第3部 映画と政治のアーキテクチャー(キーワード批評)
歴史・物語
領土
亡命・ディアスポラ
言語・テキスト
ユートピア
音・音楽
視点・アイデンティティ
メディア・政治






