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« 俳優の演技訓練映画監督は現場で何を教えるか | メイン | 2013.3.27 Wed »

ラッセンとは何だったのか?
消費とアートを越えた「先」

lassen-hyo1-web.jpg原田裕規=編著/執筆者=斎藤環、北澤憲昭、大野左紀子、千葉雅也、大山エンリコイサム、上田和彦、星野太、中ザワヒデキ、暮沢剛巳、土屋誠一、河原啓子、加島卓、櫻井拓、石岡良治/四六判/268頁/定価 2,200円+税/ISBN 978-4-8459-1314-5
6月26日発売!
癒しの「マリン・アーティスト」なのか?
はたまた究極の「アウトサイダー」なのか?

バブル期以後、イルカやクジラをモチーフにしたリアリスティックな絵で一世を風靡したクリスチャン・ラッセン。その人気とは裏腹に、美術界ではこれまで一度として有効な分析の機会を与えられずに黙殺されてきた。

本書では、ラッセンを日本美術の分断の一つの象徴と捉え、徹底した作品分析と、日本における受容のかたちを明らかにしていく。
ラッセンについて考えることは、日本人とアートとの関係性を見詰め直し、現代美術の課題をあぶり出すことに他ならない。美術批評をはじめ、社会学、都市論、精神分析など多彩なフィールドに立つ論者15名による、初のクリスチャン・ラッセン論。




編著者による「はじめに」より



■PROFILE■

■ 編著者

原田裕規(はらだ・ゆうき)
1989年山口県生まれ。美術家。主な活動として、個展に「原田裕規展」(Art Space Hap、2007年)、「原田裕規展」(新地ギャラリー、2007年)、キュレーションに「ラッセン展」(CASHI、2012年)、「心霊写真展」(22:00画廊、2012年)、論考に「アール・ローラン論」(武蔵野美術大学優秀作品展出品、2013年)など。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻在籍。


■ 執筆者(五十音順)

石岡良治(いしおか・よしはる)
1972年生まれ。批評家・表象文化論。論考・批評として、「メディウムの肌理に逆らう──ロザリンド・クラウスにおけるポストメディウムの条件」(『述三──舞台/芸術』2009年)、「岡崎乾二郎プロスペクティヴ」(『REAR』no.24、2010年)、「コアを見つめるキャラクター」(『美術手帖』966号、2012年)、「Y字路の経験」(『ユリイカ』第44巻第13号、2012年)など。

上田和彦(うえだ・かずひこ)
1975年東京生まれ。画家。中央大学経済学部卒。共著に『組立 知覚の臨界』(2010年)。論文に「芸術の価値形態」。『組立 ART Infrastructure』(2009年)、「方法としての反復」『ART CRITIQUE n.02』(2012年)。主な展覧会に「Investiture Controversy」(A-things、2009年)、「PAINTING」(Gallery FACE TO FACE、2010年)など。

大野左紀子(おおの・さきこ)
1959年、名古屋市生まれ。1982年、東京藝術大学美術学部彫刻科卒業。83年から2002年まで美術作家活動を行う。POSITION1994(名古屋市美術館)、TAMA VIVANT '97(多摩美術大学ギャラリー)他多数。著作は『アーティスト症候群──アートと職人、クリエイターと芸能人』(明治書院、2008)、『アート・ヒステリー──何でもかんでもアートな国、ニッポン』(河出書房新社、2012)など。名古屋芸術大学、トライデントデザイン専門学校非常勤講師。

大山エンリコイサム(おおやま・えんりこいさむ)
美術家。1983年、東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京藝術大学大学院修了。グラフィティの視覚言語から抽出された「クイックターン・ストラクチャー(Quick Turn Structure)」というモチーフを軸に、ペインティングやインスタレーション、壁画などの作品を発表する。また現代美術とストリートアートを横断する視点から、批評活動やシンポジウムへの参加も並行して行なう。2011年秋のパリ・コレクションではCOMME des GARÇONSにアートワークを提供するなど積極的に活動の幅を広げている。現在ニューヨーク在住。
http://www.enricoletter.net

加島卓(かしま・たかし)
東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。東京大学助教を経て、東海大学文学部専任講師。博士(学際情報学)。専門はメディア論・社会学・広告史・デザイン史。主な著作に、南後由和+加島卓(編著)『文化人とは何か?』(東京書籍、2010年)、『〈広告制作者〉の歴史社会学』(せりか書房、近刊)、「デザインを語ることは不可能なのか」『文字のデザイン、書体のフシギ』(左右社、2008年、第7回竹尾賞)ほか。

河原啓子(かわはら・けいこ)
博士(芸術学)。日本大学大学院芸術学研究科博士後期課程修了。日本大学、武蔵野美術大学、立教大学、青山学院大学、国立音楽大学、東京経済大学非常勤講師。専門は、芸術・文化社会学、マス・コミュニケーション論、博物館・美術館学。元『The Garden City Times(Singapore)』、『新美術新聞』記者。著作に『芸術受容の近代的パラダイム──日本における見る欲望と価値観の形成』(美術年鑑社、2001年)、『「空想美術館」を越えて』(同、2011年)、『コミュニケーション学入門』(NTT出版、2003年、共著)など。第三期東京都生涯学習審議会委員、練馬区行政評価委員、第二期NHKアーカイブス・トライアル研究員を歴任。

北澤憲昭(きたざわ・のりあき)
1951年、東京都生まれ。美術評論家、美術史家。女子美術大学教授。武蔵野美術大学客員教授。史家としては日本語圏における「美術」概念と「美術」諸ジャンルの成り立ちを研究課題としている。主な著書に『岸田劉生と大正アヴァンギャルド』(岩波書店、1993年)、『境界の美術史──「美術」形成史ノート』(ブリュッケ、2000年)、『アヴァンギャルド以後の工芸』(美学出版、2003年)、『眼の神殿──「美術」受容史ノート』(ブリュッケ、2010年)、『反覆する岡本太郎』(水声社、2012年)など。美術評論家連盟、表象文化論学会、美学会所属。

暮沢剛巳(くれさわ・たけみ)
1966年生。東京工科大学デザイン学部准教授。
著書に『現代美術のキーワード100』(ちくま新書)『自伝でわかる現代アート』(平凡社新書)など。現在、近現代日本美術史、近現代デザイン史、大阪万博研究などをまとめる仕事に携わっている。

斎藤環(さいとう・たまき)
1961年生まれ。精神科医。岩手県出身。筑波大学医学研究科博士課程修了。医学博士。筑波大学社会精神保健学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、「ひきこもり」問題の治療・支援ならびに啓蒙。漫画、映画、サブカルチャー全般に通じ、幅広く執筆。著書に『世界が土曜の夜の夢なら──ヤンキーと精神分析』『関係する女所有する男』『戦闘美少女の精神分析』など多数。

櫻井拓(さくらい・ひろし)
1984年、宮城県生まれ。フリーランスの編集者。アートおよび理論関係の出版物の企画、編集、校正。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。編集したものに芸術批評誌『ART CRITIQUE』(n. 02-)、ロズウェル・アンジェ『まなざしのエクササイズ』(編集協力、フィルムアート社)など。執筆した批評に、「手前の絵画──椛田ちひろの絵画について」(『ART CRITIQUE』 n.02)など

千葉雅也(ちば・まさや)
1978年生まれ。哲学/表象文化論。立命館大学先端総合学術研究科准教授、批評家。近作は、「あなたにギャル男を愛していないとは言わせない──『クール・ジャパノロジー』と倒錯の強い定義」(『思想地図β』第3号)、連載論考「アウト・イン・ザ・ワイルズ」(『現代思想』2012年5月〜)、「思考停止についての試論──2013年のフランシス・ベーコン展」(『すばる』2013年6月)など。

土屋誠一(つちや・せいいち)
1975年生まれ。美術批評家。沖縄県立芸術大学講師。共著に『現代アート事典』、『現代アートの巨匠』、『実験場 1950s』など。

中ザワヒデキ(なかざわ・ひでき)
日本人男性美術家。1963年新潟生まれ。千葉大学医学部卒。1983-1989年:アクリル画。1990-1996年:バカCG。1997-2005年:方法絵画。2006年-:本格絵画、新・方法、第四表現主義。宣伝「方法主義宣言」「新・方法主義宣言」。著書『近代美術史テキスト』『西洋画人列伝』『現代美術史日本篇』。特許「三次元グラフィックス編集装置」「造形装置および方法」。CD「中ザワヒデキ音楽作品集」。

星野太(ほしの・ふとし)
1983年生まれ。美学・表象文化論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学・共生のための国際哲学研究センター(UTCP)特任助教。著書に『奥村雄樹──ジュン・ヤン』(美学出版、2013年)、共著に『人文学と制度』(西山雄二編、未來社、2013年)、『KAWADE道の手帖 大杉栄』(河出書房新社、2012年)、『組立──知覚の臨界』(組立、2010年)など。





■CONTENTS■


はじめに
「ラッセン展」とは

Introduction
 クリスチャン・ラッセンの歩み
 [Discussion]日本のアートと私たちのクリスチャン・ラッセン 大野左紀子+暮沢剛巳+中ザワヒデキ

Chapter. 1 「ラッセン体験」への招待
 クリスチャン・ラッセンの画業と作品──事後的評価と再召還される「ベタ」 原田裕規
 美術史にブラックライトを当てること──クリスチャン・ラッセンのブルー 千葉雅也
 [Essay]ラッセンノート(再び制作し、書くために) 上田和彦

Chapter. 2 日本社会における受容──美術史の闇を照らすために
 「日本の美術に埋め込まれた〈ラッセン〉という外傷」展 大野左紀子
 〝アウトサイダー〟としてのラッセン 斎藤環
 ラッセンという過剰さ──美術史は何を書くことができないのか 加島卓

Chapter. 3 「価値」をめぐって──いかにして「見る」べきか?
 信用と複製芸術──紙幣としての美術 櫻井拓
 〈見世物〉に対するまなざしの行方──ラッセンの日本的受容をめぐって 河原啓子
 [Essay]作品分析のアクチュアリティ──ラッセンを見ることの意味 原田裕規

Chapter. 4 二つの世界──サーフィンとアート
 クリスチャン・ラッセン、二つの世界のエッジで 石岡良治
 ラッセンをイルカから観る──ジョン・C・リリィ再読のための一試論 土屋誠一
 [Essay]日本とラッセンをめぐる時空を越えた制度批判の(ドメスティックな)覚書 大山エンリコイサム

Chapter. 5 制度批判を越えた〈新しいつながり〉へ
 ラッセンの(事情)聴取 星野太
 樹木と草原──「美術」におけるクリスチャン・ラッセンの位置を見定めるための、また、それによって従来の「美術」観を変更するための予備的考察 北澤憲昭

おわりに
クリスチャン・ラッセン略年譜
参考資料一覧




■SAMPLE■