お知らせ

北村匡平×児玉美月×三島有紀子 「交差するまなざし いま映画を撮ること/映画について書くこと」 『彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家』刊行記念イベント開催

映画研究者/批評家の北村匡平さんと、映画文筆家の児玉美月さんの共著『彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家』(フィルムアート社)が昨年12月に発売となりました。

世界的にも女性の映画監督の活躍はめざましく、これまで以上にその活動に注目が集まっています。本書では、その状況をとらえながら歴史的な視座から女性監督たちの系譜をたどり、日本映画の過去・現在・未来を読み替えていくことを試みていきます。気鋭の映画批評家である著者による、日本映画における女性監督たちの功績をいま一度正当に取り上げていきたいという想いが込められた入魂の一冊です。

本書の刊行を記念して、著者たちとともに日本映画と女性作家についてさまざまな角度から考えていく、トークイベントを開催します。

ゲストにお迎えするのは、映画監督の三島有紀子さん。本書の第2章である「16人の作家が照らす映画の現在地」にも登場します。今映画について書くこと、そして今の日本で映画をつくることについて、その最前線とこれからのことをそれぞれの立場から語り合います。本書内にはおさまりきらなかったトピックももりだくさんのお話となることでしょう。

三島さんは2024年2月9日に新作『一月の声に歓びを刻め』の公開も控えており、新作についてもいち早くうかがえる場になります。
貴重なこの機会、たくさんの方のご参加お待ちしております。

【出演者プロフィール】
北村匡平(きたむら・きょうへい)
映画研究者/批評家。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。単著に『椎名林檎論——乱調の音楽』(文藝春秋、2022年)、『アクター・ジェンダー・イメージズ——転覆の身振り』(青土社、2021年)、『24フレームの映画学——映像表現を解体する』(晃洋書房、2021年)、『美と破壊の女優 京マチ子』(筑摩書房、2019年)、『スター女優の文化社会学——戦後日本が欲望した聖女と魔女』(作品社、2017年)、共編著に『川島雄三は二度生まれる』(水声社、2018年)、『リメイク映画の創造力』(水声社、2017年)、翻訳書にポール・アンドラ『黒澤明の羅生門——フィルムに籠めた告白と鎮魂』(新潮社、2019年)などがある。

児玉美月(こだま・みづき)
映画文筆家。共著に『反=恋愛映画論——『花束みたいな恋をした』からホン・サンスまで』(ele-king books、2022年)、『「百合映画」完全ガイド』(星海社新書、2020年)、分担執筆に『ロウ・イエ 作家主義』(A PEOPLE、2023年)、『デヴィッド・クローネンバーグ 進化と倒錯のメタフィジックス』(ele-king books、2023年)、『フィルムメーカーズ24 ホン・サンス』(宮帯出版社、2023年)、『ジャン=リュック・ゴダールの革命』(ele-king books、2023年)、『韓国女性映画 わたしたちの物語』(河出書房新社、2022年)、『アニエス・ヴァルダ——愛と記憶のシネアスト (ドキュメンタリー叢書)』(neoneo編集室、2021年)、『岩井俊二 『Love Letter』から『ラストレター』、そして『チィファの手紙』へ』(河出書房新社、2020年)、『フィルムメーカーズ21 ジャン=リュック・ゴダール』(宮帯出版社、2020年)など多数。『朝日新聞』、『キネマ旬報』、『文藝』、『ユリイカ』、『文學界』などに寄稿。

三島有紀子(みしま・ゆきこ)
大阪市出身。18歳からインディーズ映画を撮り始め、神戸女学院大学卒業後NHKに入局し「NHKスペシャル」「ETV特集」「トップランナー」など市井の人々を追う人間ドキュメンタリーを数多く企画・監督。03年に劇映画を撮るために独立し、東映京都撮影所などでフリーの助監督として活動、ニューヨークでHBスタジオ講師陣のサマーワークショップを受けた後、『しあわせのパン』(12年)、『ぶどうのなみだ』(14年)と、オリジナル脚本・監督で作品を発表。撮影後、同名小説を上梓した。企画から10年かけた『繕い裁つ人』(15年)は、第16回全州国際映画祭で上映され、韓国、台湾でも公開。その後、『少女』(16年)を手掛け、『幼な子われらに生まれ』(17年)では第41回モントリオール世界映画祭で審査員特別大賞、第41回山路ふみ子賞作品賞、第42回報知映画賞監督賞など、国内外で多数受賞。その後、『Red』(20年)、短編『よろこびのうたOde to Joy』(21年『DIVOC-12』)、『IMPERIAL大阪堂島出入橋』(22年『MIRRORLIAR FILMS Season2』)を発表。2023年コロナ禍での緊急事態宣言下の感情を記録したセミドキュメンタリー映画『東京組曲2020』公開。力強く美しい映像の力を信じ、永続的な日常の中の人間にある軋みを描きつつも、現代の問題を浮かび上がらせ、最後には小さな“魂の救済”を描くことを信条としている。
2024年2月9日『一月の声に歓びを刻め』テアトル新宿他全国公開
【公式HP】https://www.yukikomishima.com

《イベント情報》
2024年2月6日(火) 19:30~21:30
北村匡平×児玉美月×三島有紀子
「交差するまなざし いま映画を撮ること/映画について書くこと」
『彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家』(フィルムアート社)刊行記念
場所:本屋B&B(世田谷区代田2-36-15 BONUS TRACK 2F)
+オンライン配信
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