2025年は日本でNHKがラジオ放送を開始してから100年を迎える年です。
ラジオという聴覚のためのメディアは、音響による純粋な芸術を志向して、1950年代に「電子音楽」という放送局を舞台にした芸術が誕生するに至ります。電子音楽は20世紀後半の2つの巨大なメディア・イベントである東京オリンピックや日本万国博覧会にも登場して、さまざまなかたちで戦後の未来の音楽として機能していくことになりました。1925年のラジオ放送開始から2000年までのNHKにおける、新しい音響への挑戦を調査した書籍『NHKの電子音楽』の発売を記念して、今回のトークイベントではアートとメディアの側面から情報科学芸術大学院大学教授の松井茂さんと著者の川崎弘二さんにその魅力と意義を語っていただきます。
出演:松井 茂(詩人/情報科学芸術大学院大学教授)、川崎弘二(電子音楽研究)
日時:2025年8月30日(土) 17時~18時30分(開場16時半)
会場:MEDIA SHOP(京都市中京区中京区大黒町44 VOXビル1F/075‐255‐0783)
参加費:一般1,500円/学生1,000円
※すでに『NHKの電子音楽』をご購入のお客様は無料
アマゾンなどでのご購入でもOKです。ご予約やご入場の際に領収書や現物などをご提示ください。
定員:30名〈要予約〉
申込方法:メールにてご予約お願いいたします。
mediashop@media-shop.co.jp
出演者プロフィール
松井茂(まつい・しげる)
1975年東京生まれ。詩を書くことを通じて研究活動をしている。2010年代の研究は、『虚像培養芸術論 アートとテレビジョンの想像力』(フィルムアート社、2021年)にまとめた。2020年代は、1960年代にアメリカと日本のアートシーンで語られた「boring/退屈」に着目し、そのコンテクストから現在の芸術体験を研究中。大学在学中の1998年からアルク出版企画で編集者。2005年から東京藝術大学大学院映像研究科でcrest研究員、特任講師、リサーチセンター特任研究員、芸術情報センター助教を務め、2015年から情報科学芸術大学院大学メディア表現研究科。
川崎弘二(かわさき・こうじ)
1970年大阪生まれ。2006年に「日本の電子音楽」、2009年に同書の増補改訂版(以上愛育社)、2011年に「黛敏郎の電子音楽」、2012年に「篠原眞の電子音楽」(以上engine b ooks)を上梓。2014年にNHK Eテレ「スコラ 坂本龍一 音楽の学校 電子音楽
編」に小沼純一/三輪眞弘と出演。2018年に「武満徹の電子音楽」(アルテスパブリッシング)、2023年に共著「新説 松本俊夫論」(戦後映像芸術アーカイブ)、松井茂との共著「坂本龍一のメディア・パフォーマンス」(フィルムアート社)を上梓し、2022~23年に雑誌「AGI」において「メルツバウ・ヒストリーインタビュー」を連載。