恐怖が、再定義される──
『ゲット・アウト』の監督・ジョーダン・ピールが送る
黒人作家たちによる恐怖の最前線
【ローカス賞、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞受賞/世界幻想文学大賞最終候補作】
『ゲット・アウト』『アス』『NOPE/ノープ』で世界に衝撃を与えた映画監督・脚本家ジョーダン・ピールが編集を手がける、全編書き下ろしによるブラック・ホラー短篇集。
本アンソロジーに収録された19の作品では、奴隷制度の記憶、公民権運動のトラウマ、移民としての分断されたアイデンティティ、そして現代社会の見えざる暴力など、超自然の恐怖だけでなく、アメリカ社会に深く根を下ろした不正義や歴史的暴力といった“現実”の〈悪夢〉が描かれる。
作家陣には、N・K・ジェミシン、ンネディ・オコラフォー、レベッカ・ローンホース、タナナリーヴ・ドゥーら国際的に高く評価される作家たちが名を連ね、新進気鋭の書き手も多数参加。また、ジョーダン・ピール自身による序文も収録されている。
ローカス賞、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞を受賞したほか、Esquire、CrimeReads、シカゴ公共図書館の「年間ベストブック」にも選出された。
また、英・ガーディアン紙は「今年最高のアンソロジーであるだけでなく、時代を超えて語り継がれる一冊」と絶賛している。
ブラック・ホラーの最前線を記録する、必読のアンソロジー。
あなたがまだ見ぬ恐怖が、ここにある──
私はホラーを、エンターテイメントを通じた浄化だと考えている。それは自らの深奥にある痛みや恐怖と付き合うための方法なのだ――だが黒人にとってそれはおいそれとできることではないし、過去数十年遡っても、不可能だった。そもそも、物語が語られること自体がなかったからだ。
この小説集には19人の才気溢れる黒人作家たちが集い、それぞれの「沈んだ地」と秘密地下牢を披露してくれている。この作家たちの隣に名を連ねることはこの上なく光栄であり、誇りでもある。物語の形はさまざまだ──悪魔との舞踏に、もうひとつの現実をめぐるファンタジー、本物の、そして架空の怪物たち。それらは我々の心の内奥にある恐怖と欲望を生々しく映し出す想像の産物だ。そしてそれらは、忘れ去られることはない。
──ジョーダン・ピール「序文」より抜粋
収録作家
エリン・E・アダムズ(Erin E. Adams)
ヴァイオレット・アレン(Violet Allen)
レズリー・ンネカ・アリマー(Lesley Nneka Arimah)
モーリス・ブローダス(Maurice Broaddus)
チェシャ・バーク(Chesya Burke)
P・ジェリ・クラーク(P. Djèlí Clark)
エズラ・クレイタン・ダニエルズ(Ezra Claytan Daniels)
タナナリーヴ・ドゥー(Tananarive Due)
ナロ・ホプキンソン(Nalo Hopkinson)
N・K・ジェミシン(N. K. Jemisin)
ジャスティン・C・キー(Justin C. Key)
L・D・ルイス(L. D. Lewis)
ンネディ・オコラフォー(Nnedi Okorafor)
トチ・オニェブチ(Tochi Onyebuchi)
レベッカ・ローンホース(Rebecca Roanhorse)
ニコール・D・スコニアーズ(Nicole D. Sconiers)
リオン・アミルカー・スコット(Rion Amilcar Scott)
テレンス・テイラー(Terence Taylor)
キャドウェル・ターンブル(Cadwell Turnbull)