俳優を演出する

創造的な演技のための12 章

ジュディス・ウェストン=著
吉田俊太郎=訳
発売日
2026年4月25日
予価
3,600円+税
判型
A5 判・並製
頁数
550頁(仮)
ISBN
978-4-8459-2329-8
Cコード
0074
原題
Directing Actors : 25th Anniversary Edition, Creating Memorable Performances for Film and Television

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演技と演出に失敗はない、必要なのは探求だ。

俳優演出のロングセラー『演技のインターレッスン』が、刊行から四半世紀を経て増補復刊。 アレハンドロ・G・イニャリトゥ(『レヴェナント: 蘇えりし者』)、エイヴァ・デュヴァネイ(『グローリー/明日への行進』)、タイカ・ワイティティ(『ソー:ラブ&サンダー』)、アンドリュー・スタントン(『ファインディング・ニモ』)らハリウッドの名匠たちが絶賛する、俳優と演出家の創造的な関係を紡ぐための最良の教科書。

本書は、主に映像表現における俳優と演出家・監督のあいだに生まれる最も創造的な関係とは何かを問い、演技指導と実践のための具体的な方法を示す。俳優への適切な指示の仕方、脚本分析、望ましいキャスティングのあり方、理想的なリハーサルの進め方など、演出において誰もが直面する課題を丁寧に解説する。増補新版ではほぼ全体が大きくアップデートされ、新たに子役の演出、コメディをめぐる章が加えられた。

映像表現における「良い演技」とは何か。そのために演出家と俳優はいかに協働すべきなのか。長年にわたるワークショップを通じ、演技指導における実践・探究を重ねてきた著者のライフワークにして、21世紀の演技演出論の古典。
演出家や映画監督のみならず、演技者にとっても、映像表現における演技のあり方を学ぶ上で必携の一冊。

 

「あなたの授業を受けることで、私は演出ができると信じられるようになった」
――エイヴァ・デュヴァネイ(『グローリー/明日への行進』監督)


目次

まえがき――二十五周年記念改訂版にあたって

イントロダクション

CHAPTER 1 リザルト演出とその特効薬
リザルト演出――そもそもリザルト演出とは?(12+1の悪例)/クイック・フィックス(即効性のある解決策)/動詞/事実/イメージ/メタファー、または「あたかも〜のよう」/出来事/何について語っているのか?/身体性/質問しまくる/翻訳/高度なヒント/内密に伝えることがルール/認識の一致

CHAPTER 2 今ここに心を置く
恐れとコントロール/リスク/不快なキャラクター/正直さ/今ここに心を置く/キャラクターには自由意志がある/キャラクターには潜在意識がある/失敗する許可/社会的な仮面/「正しく」演じようとしないこと/非義務感/「それを利用しろ!」/真実味にコミットする/悪名高き不安感/約束を交わす/再現不能な「今ここ」の状態/監督も「今ここ」に心を置くこと

CHAPTER 3 「聞くこと」と話すこと
「聞くこと」とは何か、なぜ「聞くこと」が大切なのか/監督はどうすれば俳優が「聞いている」かどうか判断できるのか/ケミストリー/利他的な俳優たち/ダメージ・コントロール/特別なシチュエーション/「聞くこと」ができていればショットは機能する/監督がアドバイスに使える言葉/監督も「聞くこと」を実践しなければならない

CHAPTER 4 俳優の選択/監督のツール
質問する/される/逆転の発想/ミステリアスな台詞/三つの可能性のテクニック/決めつけ/欠点と好感度/動詞の仲間たち――意図、目的、背骨、欲求/イメージ/事実とヒント/演技の調整(メタファー、類推、「あたかも〜のように」、「もしも〜だとしたら?」、「それはちょうど〜の時のような」)/サブテキスト(マントラまたは心のモノローグ)/身体的・物体的側面フィジカル・ライフ/秘密/ツールをたくさん紹介する理由

CHAPTER 5 感情の出来事
「感情の出来事」の定義/演出ツールとしての感情の出来事/取っ掛かりを見つける/いわゆる説明シーン/感情の出来事とジャンル――人間関係がすべて/何について語っているのか/テーマのリストを作る/推移トランジションとスルーライン/ブロッキング/ブロッキングを学ぶ方法/感情の出来事について両者の意見は一致していなければならないのか/感情の出来事はリアルタイムで起こらなければならない/頭を使わないカバレッジを回避する/背骨とナラティブ・ドライブ/フランチャイズ作品における背骨とナラティブ・ドライブ/監督の意図/ドゥ・ザ・ライト・シング/羅針盤コンパス

CHAPTER 6 俳優のリソースとトレーニング
記憶または個人的経験/観察力/イマジネーションの確立/リサーチ/チャネリング/マイズナー・テクニック/キャラクターの経験を実際に体験する/集中/知覚/シェイクスピア/ポスト・スタニスラフスキー時代/スター俳優を演出するとき/ハート/フィーリング

CHAPTER 7 脚本分析
脚本を読む/ト書き/チャート表とガイド/『マトリックス』/第一印象――気に入ったところ、および気兼ねや懸念点/最初の質問/「単に……だけ」と「……と推測される/プロのヒント(脚本全体について)――リスト作りとカット&ペースト/脚本を何度も読み返す・声に出して読む/ミステリアスな台詞&三つの可能性のテクニック/言い換え(心の声を創造する)/事実と質問/質問、そしてまた質問/リサーチ/内的リサーチ/イメージと連想/この直前に何が起こったのか/目的/どんなリスクを抱えているのか(別名「問題点」)/アクティブな動詞/サブテキスト/障害/調整/ビート/ブロッキング/シーン・メイキング/ブロッキングを使って出来事を起こす/ペーシングのアイデアをつかむ/プロットの出来事、私的な出来事、感情の出来事/ミステリアスな最後のサイファーの台詞/そしてついに――人間関係の形/ミクロとマクロ

CHAPTER 8 キャスティング
「名のある」俳優のキャスティング/キャスティング・ディレクター/オーディションによるキャスティングのガイドライン/オーディションによるキャスティング――その手順/俳優ではない人のキャスティング/俳優から提出されるセルフ・テープを使ったキャスティング/パンデミックと心の繋がりコネクション(2020年)

CHAPTER 9 リハーサル
リハーサル――その利点と欠点/ジョン・コーティ監督/リハーサルの目的/リハーサルのスキルとツール/モーメント要の瞬間作りの大切さ――ブロッキング、ペーシング、シーン・メイキング/要点/リハーサル形式/連続テレビシリーズ/スター俳優と仕事をする/素人の出演者と仕事をする/リハーサルで使うべき言葉遣いの例/リハーサル手順のヒント/セックス、暴力、パンデミック/ZOOMリハーサル

CHAPTER 10 撮影
撮影本番前にリハーサルができた場合/撮影本番前にリハーサルができなかった場合/撮影現場でのガイドライン

CHAPTER 11 子役の演出
子どもは好きですか?/子ども役のキャスティング/八歳が変わり目/子役と台詞の節回し/ありのままの子どもたちと交わる/大人の俳優と子役が一緒に演じるシーン/子役を対等に扱う/子どもの俳優は演技にどうアプローチしているのか/トラウマ(心的外傷)を与えかねない内容/ロー・ティーン/ハイ・ティーン/彼らに献身する/歳をとった俳優の場合は?

CHAPTER 12 コメディ
もっと速く、もっとうるさく、もっとおかしく/それ以外のコメディの原則

エピローグ

付録A 動詞――簡易リスト(拡張版)
付録B 動詞――感情別リスト
付録C 監督のための脚本分析
付録D 脚本分析――トピックスのリスト
付録E 脚本分析――俳優のための追記
付録F 『マトリックス』シーン74
付録G ビリー・レイの3×5インデックス・カード

索引

略歴

プロフィール

[著]
ジュディス・ウェストン(Judith Weston)
ロサンジェルス在住。35年以上にわたり監督、俳優、脚本家の制作指導を務める。1985年から2015年にかけては自身のスタジオも運営。ヨーロッパ、カナダ、アフリカ、アジア、オーストラリア/ニュージーランドなど、活動範囲は世界中におよぶ。『俳優を演出する』は1996年の旧版を刊行して以来、長らくベストセラーをキープし、12の言語に翻訳された。第二の著書である『The Film Director’s Intuition』(未邦訳)では脚本分析とリハーサル技法への深い考察が行われ、こちらも多くの支持を得ている。監督や脚本兼監督といった人々との個人コンサルティングから、学校や団体向けのZoomセミナーまで広く活動する。
www.judithweston.com

[訳]
吉田俊太郎(よしだ・しゅんたろう)
英国と日本を頻繁に行き来しながら主に映画・映像とライフスタイルの両分野で翻訳活動をしている。主な訳書に『空想映画地図[シネマップ]』、『クエンティン・タランティーノ―映画に魂を売った男』、『ストーリーボードで学ぶ物語の組み立て方』、『クリント・イーストウッド 気高き〈アメリカ〉の放浪者』(以上、フィルムアート社)、『映画もまた編集である―ウォルター・マーチとの対話』、『習得への情熱』(以上、みすず書房)、『死の仕事師たち』(白揚社)など多数。