これからのアートマネジメント

〝ソーシャル・シェア〟への道

中川真/フィルムアート社編集部=編
発売日
2011年4月9日
本体価格
1,700円+税
判型
四六判・並製
頁数
192頁
ISBN
978-4-8459-1163-9
Cコード
C0070
刷数
2刷
備考
品切

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あらゆる“場”を再生させるアートの戦略

ますます求められるアートマネジメントの仕事は多種多様。企業、学校、福祉、街の中のいたる場所で行なわれるアーツは、既存の考え方やシステムを打ち崩し、人と人、人と社会の新しい関係を創造します。
本書は、社会におけるアートの存在について、ダイナミックに捉えなおしながら、ダンス、美術、音楽、演劇など多様なジャンルの第一線で活躍中の著者たちが、アートマネジメントにおける大切な考え方や実践論を語ります。
アートそのものからではなく、マネジメントの現場が創造する、
日常とアートの新しいあり方へ――

アートは多様なコミュニケーションをひらく媒体です。「感動や沈黙を含んだ奥深いコミュニケーション」です。それこそが、他者への新しい接近可能性(アクセシビリティ)を生み出し、人と人の新たな関係をつくります。
──(本書Introductionより)

目次

Introduction
■“ソーシャル・シェア”への道 (中川真+編集部)

Discussion
■シェアへ向かうアートマネジメントへ (中村政人×中川真)

Basic Work1
■アートマネジメントの仕事 (林容子・中村茜・立木祥一郎・片山正夫・三ツ木紀英)

アートの現場/ 企画/制作の進め方 /展示の方法/ 評価/お金の問題 /トラブル・シューティング

Basic Work2
■アートマネジメントの思想 (林容子・大澤寅雄・中川真)

人間にはなぜアートが必要なのか?/「場」の力を考える/社会はアートを必要としているのか?/文化の多様性を生み出す

Expanded Work
■これからのアートマネジメント (藤浩志・加藤種男・森司・吉野さつき)

違和感を形にするシステムへ/アートのヒエラルキーを崩す/アートによる共同体をつくる
異質なものをつなぐ

Style
■社会をひらくマネジメント・スタイル14

ウイングフィールド/兵庫県伊丹市立演劇ホール・アイホール /アトリエ劇研/こまばアゴラ劇場ほか/アサヒ・アート・フェスティバル/PPAF/TPAM/ フェスティバル/トーキョー /南千住1000枚の記憶/クレマチスの丘/瀬戸内国際芸術祭2010/ココルーム/エイブル・アート・ジャパン/アートNPOリンク

History
■アートマネジメントの歴史 (伊藤裕夫)

Q & A
■アートマネジメントへの質問14

アートは手段なのですか、目的なのですか?/アートマネジメントの仕事のやりがいって?/なぜアートを使って「町おこし」をするのですか?/東京は本当にアートフルになったのですか?/助成のシステムは、表現を軟弱にしませんか?/横浜は、本当にクリエイティブシティなのですか?/「劇場法」ってなんですか?/アートマネジメントではどんな人材が必要とされますか?/公共性が高い=わかりやすいということですか?/マネジメントの才能があれば、村上隆のようになれますか?/大阪市のアート政策は、なぜ挫折したのですか?/ヒトラーがアートを使ってナチスをマネジメントしたって本当ですか?/アートマネジメントで食べていくためには何をしたらいいですか?/日本より海外でアートマネジメントを勉強すべきですか?

■アートマネジメント文献&学べる場 (佐藤李青)

プロフィール

[編]
中川真(なかがわ・しん)
1951年奈良県生まれ。サウンドアート、サウンドスケープ、東南アジアの民族音楽を研究する。著書に『平安京 音の宇宙』(サントリー学芸賞、京都音楽賞)など。ガムラン合奏団を主宰し活発な公演活動を行なういっぽう、船場アートカフェにてアート・プロジェクトを企画する。
大阪市立大学大学院教授。

[著]
伊藤裕夫/大澤寅雄/太田好泰/片山正夫/加藤種男/暮沢剛巳/小暮宣雄/佐藤李青/柴田英杞/相馬千秋/曽田修司/立木祥一郎/中川真/中村茜/中村政人/野村政之/橋本誠/林容子/樋口貞幸/藤浩志/丸岡ひろみ/三ツ木紀英/森司/吉野さつき