現代アートの本当の見方

「見ること」が武器になる

フィルムアート社編集部=編
発売日
2014年9月29日
本体価格
1,700円+税
判型
四六判・並製
頁数
208頁
ISBN
978-4-8459-1445-6
Cコード
C0070
備考
品切

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「なにを、どう見るか」

現代アートを学ぶためには、作品を見ることが大切です。
でも作品の「なにを、どう見るか」は、とても難しい問題です。

本書は「アートを見る」というテーマを、〈技術〉〈社会〉〈精神〉の三種類に分類し、多様な視点から作品と向かい合うための様々なスタイルを提案します。
また、作品自体を見た後に、「見た後の自分をどう〈見る〉か」についても考えます。
単に作品の鑑賞論ではなく、作品をとりまく社会、作者の内面にある精神性、作品を経て自分の中に生まれる変化……そうしたものまでを含めて、幅広く「見る」ことのおもしろさを論じる一冊となっています。

アートをより深く楽しみ、強く学びたい人にとって、必携の書となるでしょう。

本書は、現代アートという表現の領域に対して、「何を、どう見るか」という提案を行います。現代アートには、多彩な技法が存在し、複雑な社会性が包含され、深甚な思想が充満しています。一つの具体的な目標を持つ営為ではありませんから、解釈もまた多岐に渡ります。だからこそ「見る」ことによって多様な価値観を身につける―すなわち自分にとっての「武器」をつくることが可能になると編集部では考えています。

とはいえ、あまりにも広大な世界を前にすると、人はどこから歩みを進めてよいものか、戸惑うものです。「好きなように見ろ」などと言われても学ぶ意識が先に立っていれば、困惑するばかり。見取り稽古のしようもありません。

したがって本書は、能う限り多くの、いろいろな角度からの「見る」を集成し、一筋縄ではいかない「見る」ための論点を提案しようとしています。より強く現代アートについて考え、楽しみたいと志す人にとって、その人独自の見取り稽古のガイドとなれば、幸いです。
「Introduction:現代アートの本当の見方」より

目次

Introduction
現代アートの本当の見方 / フィルムアート社編集部

Discussion
「今、見ること」への提案 / しりあがり寿×山口晃

Study 1
技術を見る / 松本次郎・村田真・御幸朋寿・堀江秀史
絵肌へのこだわり
色が教える世界
作家を「支える」支持体
道具の起源
空間を生かす
時間が作品をつくる
デジタル ・ アナログの違いを見る

Study 2
社会を見る / 三ツ木紀英・村田真・宮津大輔・竹久侑
コレクターの「見る」
ジャーナリスムから何が見えるか?
コミュニケーションとしてのアート
アートプロジェクトを考える

Study 3
精神を見る / 土屋誠一・谷口幹也・山木朝彦
思考(コンセプト)を知る
苦悩に触れる
思考する自分に気づく
鑑賞力を鍛える見方

Style
スタイル別「現代アート」 の見方 / 川﨑昌平
インスタレーション
参加型アート
パフォーマンス・アート
日本のアバンギャルド
ポップアート
アウトサイダー・アート

Add
現代アートの見方が学べる本と美術館

Q & A
見ることに関する9の質問

現代アートはいつまで現代なんですか? 終わらないんですか? / 堀江秀史
美術館に行かないとダメですか? / 橋本誠
公共建築がかえって景観を破壊しているように見えるのですが? / 御幸朋寿
批評家の言葉を借りるのではなく自分の言葉で話すにはどうすればいいですか? / 堀江秀史
親子でアートを鑑賞するときの注意点を教えて下さい / 三ツ木紀英
現代アートって本当に社会にとって必要なんでしょうか? / 橋本誠
アートプロジ ェクトは本当にコミュニティのためになっているのでしょうか? / 橋本誠
つまらないと感じてしまう理由はどこにあるのでしょうか? / 堀江秀史
デートで美術館に行くとケンカになりやすいのはなぜですか? / 三ツ木紀英

プロフィール

しりあがり寿
山口晃
松本次郎
御幸朋寿
堀江秀史
竹久侑
村田真
土屋誠一
谷口幹也
宮津大輔
三ツ木紀英
山木朝彦
橋本誠
川﨑昌平