ダイアローグ

小説・演劇・舞踏・映画・テレビドラマで効果的な会話を生みだす方法

ロバート・マッキー=著
越前敏弥=訳
発売日
2017年10月25日
本体価格
2,800円+税
判型
A5判・並製
頁数
384頁
ISBN
978-4-8459-1629-0
Cコード
C0074
刷数
3刷
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「現代のアリストテレス」ロバート・マッキーによる物語創作術三部作、第二巻目が待望の邦訳!
ダイアローグは単なる会話ではない。
すべての会話はストーリー上の必要性に応え、目的を持ち、行動を起こさせるものではなくはならない。
何かを言うことは何かをすることなのだ。

「何かを言うことも一種の行動であるから、わたしはダイアローグの定義をさらにひろげて、『ある登場人物が自分自身、他者、読者や観客に対し、なんらかの必要や欲求を満たすために発するあらゆることば』と再定義してきた。」

これまで解説不可能なものとして、ほとんどの創作本で触れられてこなかった「ダイアローグの本質」について迫った、世界でも類を見ない画期的著作。

ライティングワークショップによって国際的な名声を得ているロバート・マッキー。
マッキーは30年間世界中を飛び回り、脚本家、小説家、劇作家、詩人、ドキュメンタリー作家、プロデューサー、演出家を育成してきました。受講生の数は100,000人以上にのぼり、その中には数多くのアカデミー賞・エミー賞受賞者がいます。

【ロバート・マッキーのセミナー受講生の受賞歴】
アカデミー賞受賞者数 60人 (ノミネート200人)
エミー賞受賞者数 200人 (ノミネート1,000人)
全米監督協会賞(DGA)受賞者数 50人 (ノミネート100人)
米・脚本家組合賞(WGA)受賞者数 100人 (ノミネート250人)

ロバート・マッキーの門下生の中にはピーター・ジャクソン(『ロード・オブ・ザ・リング』3部作や『ホビット』の監督・脚本)など大きな成功を手にした監督もいます。また、ピクサーの脚本チーム(『トイ・ストーリー』や『ファインディング・ニモ』など)のように、ハリウッドの脚本家にとってマッキーの脚本講座は登竜門になっています。

ロバート・マッキーの物語創作術三部作、第二巻目にあたる本書『ダイアローグ』では、

演劇=聴覚のメディア
映画=視覚のメディア
テレビドラマ=演劇と映画のあいだにあるもの
小説=心に直接うったえるメディア

という物語の主要な4つのメディアそれぞれの特徴を踏まえ、それぞれが「ダイアローグ」をどのように生み出しているのかを詳細に掘り下げています。

古典的作品(『マクベス』『カサブランカ』『グレート・ギャツビー』『白鯨』)から人気海外ドラマ作品(『ブレイキング・バッド』『ハウス・オブ・カード 野望の階段』)まで、物語のなかで登場人物たちが巧みな対話をするよう、実際の作品で鍵となるシーンを例にして詳細に分析します。
『ダイアローグ』は、芸術的で印象に残るような会話を創造するための羅針盤として最大限の力を発揮します。

「わたしはありとあらゆるダイアローグの技巧を愛している。その親愛の情にほだされて本書を執筆し、ストーリー作りにおける至高の作業――登場人物に声を与えること――の解明に取り組むことにした。」

第1部 ダイアローグの技巧では、ダイアローグの定義を大幅に拡張して、使い道を増やす。第2章から第5章では、登場人物の語りの機能、内容、形式、テクニックについて、4つの媒体にわたって考察する。

第2部 欠陥と対処法では、嘘っぽさ、月並みな決まり文句、正確すぎる記述、くどい繰り返しなどの欠点を突き止めて、原因を探り、改善策を伝授する。技巧を凝らしたダイアローグを生み出すさまざまなテクニックを説明するために、小説、演劇、映画、テレビからいくつか例を示す。

第3部 ダイアローグを作るでは、最後の仕上げ、すなわち、テクストを形作ることばの見つけ方を考えていく。われわれがある作家を「すぐれたダイアローグの書き手」と評するのは、その作家がキャラクターに適合したダイアローグを生み出しているときだ。それぞれの登場人物の語りに筋道とリズムと色調があり、何より大切なことに、その人物以外は使いそうもないことばが選ばれている。すべての登場人物が独自のことばに彩られた用語辞典になることが理想だ。それゆえ、ダイアローグの独創性は語彙からはじまる。
キャラクターに適合したダイアローグの力を説明するために、ここではシェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』、エルモア・レナードの小説『アウト・オブ・サイト』、ティナ・フェイのテレビシリーズ『30ROCK/サーティー・ロック』、アレクサンダー・ペインとジム・テイラーの映画『サイドウェイ』の場面を取りあげて説明する。

第4部 ダイアローグの設計は、ストーリーや場面設計の構成要素を研究することからはじめる。第12章では、それぞれの表現形式が登場人物の語りをどのように形作るかを示す。ケーブルテレビのシリーズ『ザ・ソプラノズ』からはバランスのとれた葛藤の場面、ネットワークテレビのシリーズ『そりゃないぜ!? フレイジャー』からは喜劇の葛藤の場面、戯曲『ア・レーズン・イン・ザ・サン』からは非対称の葛藤の場面、小説『グレート・ギャツビー』からは遠まわしな葛藤の場面、小説『フローライン・エルゼ』と『無垢の博物館』からは内省的な葛藤の場面、映画『ロスト・イン・トランスレーション』からは暗黙の葛藤の場面を選び出し、6件のケーススタディをおこなう。
こうした分析を通して、効果的なダイアローグのふたつの主原則を考察していく。第1は、ダイアローグが交わされるたびに、場面を進展させる行動や反応が生まれることである。第2は、そうした行動は語りの表層で具現するが、登場人物の行動の水脈はサブテクスト(言外の意味)から目に見えぬ形で流れていることだ。
作家にとってのGPS機能のごとく、本書は志望者には道案内を提供し、道に迷った者には方向づけをする。この技巧を試そうとして、創造の袋小路にはまりこんだ者を、本書は卓越への道に押し進める。物書きを生業としながらも、考えるよりどころを失っている者を、本来の居場所へと導くだろう。
(本書「本書の概要」より)「ダイアローグを書くにはきわめて高度な技術が必要だ。マッキーの著書『ダイアローグ』は、あらゆる種類の作家にとって強力な武器となる」ジョン・ラセター(米ディズニー/ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサー)


目次

まえがき ダイアローグをたたえて
本書の概要
第一部 ダイアローグの技巧
1 ダイアローグの完全な定義
2 ダイアローグの三つの機能
3 表現力(1) 内容
4 表現力(2) 形式
5 表現力(3) 技巧
第二部 欠陥と対処法
ダイアローグの六つのタスク
6 信頼性の問題
7 ことばの欠陥
8 中身の欠陥
9 設計上の欠陥
第三部 ダイアローグを作る
10 登場人物特有のダイアローグ
11 四つのケーススタディ
第四部 ダイアローグの設計
12 ストーリー/シーン/ダイアローグ
13 均衡のとれた対立
14 喜劇的な対立
15 不均衡な対立
16 間接的な対立
17 内省的な葛藤
18 最小限の葛藤
19 技術の習得のために
原註
訳者あとがき

プロフィール

[著]
ロバート・マッキー(Robert McKee)
1941年生まれ。世界で最も名高く、信頼されているシナリオ講師。全米のみならず、世界各地でセミナーを開催している。これまで30年以上にわたって、数々の脚本家、小説家、劇作家、詩人、ドキュメンタリー作家、プロデューサー、演出家などを育成してきた。マッキーの指導を受けたなかからは、アカデミー賞受賞者が60人以上、アカデミー賞候補が200人以上、エミー賞受賞者が200人以上、エミー賞候補が1,000人以上、全米脚本家組合賞受賞者が100人以上、全米監督組合賞受賞者が50人以上生まれている。

[訳]
越前敏弥(えちぜん・としや)
1961年生まれ。文芸翻訳者。東京大学文学部国文科卒。学生時代には映像論やシナリオ技法なども学び、卒論テーマは「昭和50年代の市川崑」。おもな訳書『ダ・ヴィンチ・コード』『Xの悲劇』『思い出のマーニー』(以上、KADOKAWA)、『解錠師』『生か、死か』(以上、早川書房)、『夜の真義を』(文藝春秋)、『おやすみ、リリー』(ハーパーコリンズ・ジャパン)、『世界文学大図鑑』(三省堂)など。著書『翻訳百景』(KADOKAWA)、『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』(ディスカヴァー)など。