なぜ偉大な女性芸術家は「いなかった」のか?
アルテミジア・ジェンティレスキ、マリア・ジビーラ・メーリアン、葛飾応為、ベルト・モリゾ、フリーダ・カーロ、リー・クラスナー、ルイーズ・ブルジョワ……
イラストとマンガで学ぶ、23人の語られなかった「美術の物語」。
ルネサンス、バロック、浮世絵、印象派、バウハウス、シュルレアリスム、現代美術まで──
本書は美術の歴史における重要な出来事や潮流を解説しながら、13世紀から現代にいたる23人の女性芸術家の歩みをたどり、これまでの美術史の「もう半分」とも呼べる世界を浮かび上がらせます。
「北斎の娘」とは、「マネのミューズ」とは、「ロダンの恋人」とは、「ポロック夫人」とは、誰だったのか。
男性の名前の影に隠されてきた女性たちを、ひとりの芸術家として見つめ直し、それぞれが驚くべき創造へと至った軌跡を明らかにします。
本書はまた、美術史家リンダ・ノックリンの立てた問い「なぜ偉大な女性芸術家はいなかったのか?」に対して、個々の芸術家の背景を踏まえて応答します。
女性たちを「美術の物語」から退けてきた社会の構造や制約を、フェミニズムの視点から解き明かしています。
豊富なイラストとマンガで、世代を超えて楽しめる、新しい美術史入門。
あなたの世界を広げ、知的好奇心を刺激し、ときには勇気づけてくれる一冊です。
【本書に登場するおもな女性芸術家】
カタリナ・ファン・へメッセン
ソフォニスバ・アングイッソラ
ラヴィニア・フォンターナ
アルテミジア・ジェンティレスキ
ユディト・レイステル
ラッヘル・ライス
マリア・ジビーラ・メーリアン
アンゲリカ・カウフマン
管道昇
文俶
葛飾応為
ベルト・モリゾ
メアリー・カサット
カミーユ・クローデル
マリアンネ・フォン・ヴェレフキン
マリアンネ・ブラント
レオノーラ・キャリントン
フリーダ・カーロ
タマラ・ド・レンピッカ
リー・クラスナー
ジョージア・オキーフ
アイダ・オキーフ
ルイーズ・ブルジョワ
目次
プロフィール
[文]
李君棠
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで比較文学の修士号を取得後、ある書店でマーケティングスーパーバイザーを務める。物語を語るスタイルで文化的なテーマを人気商品にするのが得意。国内外の美術史関係の教養書を数多く読み込むなかで「女性芸術家に焦点を当てた一般向けの美術史の教養書」という市場の空白があると気づく。「すばらしい商品」として、女性芸術家の作品を理解しやすい言葉で多くの読者に普及させたいと願っている。
[絵]
垂垂
挿絵画家、絵本作家。博物館学の学士号、工芸美術専攻の修士号を取得。一般向けの教養絵本の制作に力を注ぐ。作品は人文、芸術、化学、物理、生物、神経科学などの分野に及ぶ。著作に『もし世界がシリーズ』の科学書、『私たちの一日』など。2021年、フォーブス「世界を変える30歳未満」アート部門に選出。
[訳]
多田麻美
アートライター、作家、翻訳者。1973年生まれ。テーマは中国とロシアの文化。著書に『シベリアのビートルズ』(亜紀書房、2022)、『中国 古鎮をめぐり、老街をあるく』(亜紀書房、2019)、『映画と歩む、新世紀の中国』(晶文社、2016)、『老北京の胡同──開発と喪失、ささやかな抵抗の記録』(晶文社、2015)。訳著に『乾隆帝の幻玉──老北京骨董異聞』(劉一達著、中央公論新社、2010)、『北京再造──古都の命運と建築家梁思成』(王軍著、集広舎、2008)。共著に『ファンキー中国』(灯光舎)、『北京探訪』(愛育社)、『北京を知るための52章』(明石書店)など。