ショットを読む力が、
あなたの眼を一変させる。
より深く、よりおもしろく。
映画分析・映画批評の最初の一冊、待望のリニューアル。
豊富なカラー図版とテキストで、映画史に残る名作の秘密を解き明かす。
シナリオの意図、演出の狙いから、背後にある思想や社会的文脈まで。
映画をもっと楽しみ、語りたい人のための、最良の入門書。
増補改訂版では「第二部 映画の精読」を新規収録。黒澤明、スタンリー・キューブリック、ウォン・カーウァイ、アニエス・ヴァルダ、ドゥニ・ヴィルヌーヴ──時代を超える名作を徹底的に読み解き、表現の核心に迫る。
加えて、第一部・第三部にも全面的に改訂・再構成が施され、各章に新たな映画作品の分析を追加。
巻末には「映画分析のための用語集」を新規収録している。
現代にあわせてアップデートし、作品例とカラー図版も大増量した「映画分析入門」決定版。
《本書で引用される映画作品》
『時計じかけのオレンジ』 『パルプ・フィクション』 『シャイニング』 『鳥』 『ロード・オブ・ザ・リング』 『アメリ』 『無ケーカクの命中男』 『フィクサー』 『2046』 『第三の男』 『波止場』 『フィラデルフィア物語』 『暗殺の森』 『北北西に進路を取れ』 『12人の怒れる男』 『我等の生涯の最良の年』 『ミルドレッド・ピアース』 『捜索者』 『女相続人』 『花様年華』 『エネミー・オブ・アメリカ』 『その土曜日、7時58分』 『スタンドアップ』 『自転車泥棒』 『突撃』 『ヒストリー・オブ・バイオレンス』 『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』 『ガス燈』 『大いなる幻影』 『ロード・トゥ・パーティション』 『ゴッドファーザー』 『コールガール』 『十字砲火』 『男性・女性』 『ブロンド・ヴィナス』 『ドライヴ』 『ハイエナ』 『テルマ&ルイーズ』 『市民ケーン』 『地獄の黙示録』 『ある日、ダウニング街で』 『エイリアン』 『カメラを持った男』 『ブレードランナー』 『バッカニアーズ』 『しあわせの法則』 『チャイナタウン』 『シェイム』 『風と共に散る』 『セブン』 『羊たちの沈黙』 『フォーリング・ダウン』 『つぐない』 『M』 『恋する惑星』 『ロジャー&ミー』 『パリ 夜は眠らない』 『スコピオ・ライジング』 『二十四時間の情事』 『インサイド・ジョブ』 『歴史と記憶』 『ツリー・オブ・ライフ』 『ゴールド・ディガーズ1933』 『レボリューショナリー・ロード』 『ワーキング・ガール』 『ファイト・クラブ』 『レザボア・ドッグス』 『憎しみ』 『オフィシャル・ストーリー』 『ラン・ローラ・ラン』『天国と地獄』『冬の旅』『メッセージ』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『エクス・マキナ』『ソーシャル・ネットワーク』『ババドック 暗闇の魔物』『ブレードランナー2049』『ナイトクローラー』『ブルックリンの片隅で』『her』『ウィッチ』『ゲット・アウト』ほか
目次
第一部 技巧と意味
第1章 構図
第2章 カメラワーク
第3章 編集
第4章 色彩、照明、音響
第5章 アートディレクション
第6章 語り
第7章 メタファー、構造、人物、モチーフ
第8章 スタイル:リアリズムと表現主義
第二部 映画の精読
第9章『天国と地獄』
第10章『シャイニング』
第11章『花様年華』
第12章『冬の旅』
第13章『メッセージ』
第三部 批評的分析
第14章 歴史的批評──『ゴールド・ディガース』
第15章 心理学的批評──『羊たちの沈黙』
第16章 イデオロギー批評──『ワーキング・ガール』
第17章 ジェンダー批評──『ミルドレッド・ピアース』
第18章 批判的人種批評──『フォーリング・ダウン』と『ゲット・アウト』
第19章 政治的批評──『地獄の黙示録』
第20章 ポスト構造主義批評──『ゴッドファーザー』
第21章 科学的批評──『捜索者』
映画分析のための用語集
プロフィール
[著]
マイケル・ライアン(Michael Ryan)
テンプル大学名誉教授。著書に『マルクス主義と脱構築』、『政治と文化』、『カメラ・ポリティカ』、『批評入門』、『文学理論──実践的入 門』、『政治行動の遺伝学』などがある。
メリッサ・レノス(Melissa Lenos)
ドネリー大学准教授。物語論やメディア教育が専門で、「シネマ・ジャーナル」、「メディア・レス」誌などに論文を寄稿している。ケヴィン・ファーガソンとの共著に『X世代』がある。
[訳]
田畑 暁生(たばた・あけお)
1965 年、東京生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院 (社会情報学)修了。現在、神戸大学人間発達環境学研究科教授。 著書に『情報社会論の展開』(北樹出版)、編著書に『情報社会を 知るクリティカル・ワーズ』(フィルムアート社)、訳書に『サイバー・メ ディア・スタディーズ』(フィルムアート社)、『世界はナラティブででき ている』(青土社)、『WKW──THE CINEMA OF WONG KAR WAI ザ・シネマ・オブ・ウォン・カーウァイ』(星海社)などがある。