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小説家、望月麻衣は『〈穴埋め式〉アウトラインから書く小説執筆ワークブック』をこう使う

本邦初となる本格的「書き込み式」小説の書き方本として、発売前から大きな注目を集めていたK.M.ワイランド著『〈穴埋め式〉アウトラインから書く小説執筆ワークブック』が刊行となりました。

今回、小説家の望月麻衣さんに本書を実際に穴埋めしていただき、プロの小説家の視点から本書が「果たして本当に使えるのかどうか」を検証していただきました。

望月麻衣さんといえば、『京都寺町三条のホームズ』(双葉社)『わが家は祇園まちの拝み屋さん』(KADOKAWA)『京洛の森のアリス』(文藝春秋)『太秦荘ダイアリー』(双葉社)など数々のヒット作を世に送り出してきたベストセラー作家です。

今回望月麻衣さんに、代表作のひとつでありアニメ化、コミカライズもされた大人気作シリーズ『京都寺町三条のホームズ』(なんとシリーズ累計170万部!!)を題材に、本書収録のエクササイズの穴埋めにチャレンジしていただきました。

出版社公式HP:https://www.futabasha.co.jp/kyototeramachi/index.html
アニメ公式HP:http://kyototeramachi-holmes.com/

小説家志望の方だけではなく、『京都寺町三条のホームズ』ファンの方にも興味をもっていただけるのではないかと思います。
ではお楽しみください!!

以下、望月さんの文章です


フィルムアート社さんの記事を拝見したところ、小説家は「プロッター」派と「パンツァー」派の2派に分かれるそうです。

① プロッター…執筆前にプロットを作る人
② パンツァー(PANTSER)…プロットを作らず直感で執筆する人

私は元々、②パンツァー。
プロットを作らず、直感で執筆する人間でした。

誤解なきようお伝えしたいのは、直感といえども頭の中にプロットはあるのです。
かなりぼんやりしたものですが、ストーリーの流れは脳内にある。
それをプロットというかたちでアウトプットしたくない。
プロットにしてしまうことで、満足して書く気が削がれてしまう。
物語の最後は、プロットではなく執筆で出会いたい。

それがプロットを作らなかった理由でした。
おそらく私のようなタイプは多いのではないでしょうか。

ですが、商業デビューし、仕事として作品をつくっていくとなった時、プロットがなくては話にならない場合が多いです。

また、プロットがあればさらに良いものができることに気が付きました。

プロッターの方は、この本のどの部分を使っても役立つと思います。
ですが、私のようなパンツァーは逆に頭を悩ませてしまうかもしれません。

そんなパンツァー派の方にお勧めしたいのが、「第4章 キャラクター・スケッチ:人物インタビュー 」です。

私がデビューして、始めて担当してくださった編集者さんにこう言われました。
「キャラクターの履歴書を作ってください」
とりあえず主要キャラクターだけで良いのですが、登場人物の設定、背景がしっかりしていると、軸の部分がぶれることがないと。

これは私にとって苦ではなく、むしろ楽しい作業でした。

あらためて、京都寺町三条のホームズの主役の一人、家頭清貴やがしらきよたかの人物インタビューをしていきたいと思います。基本的に、最初の設定です。

以上です。

ここまでしっかりじゃなくても、書きたい項目だけでもキャラクターについて書き起こしていくと、それだけで物語のイメージが浮かんでくると思います。

ぜひ、プロットが苦手という方は、主要キャラクターについて掘り下げていくところから始めてみてはと思います。

ありがとうございました。

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