担当作の累計発行部数3000万部超えの現役マンガ編集者が、現場で培った経験と技術を惜しみなく伝授! 企画資料、キャラクターデザイン案、ネーム、下書き……普段は表に出ないマンガ制作の裏側をふんだんに収録し、企画から仕上げまで面白さを磨き、ヒット作を生み出すためのコツがこの1冊に。
ONE(『モブサイコ100』)、ヨシアキ(『雷雷雷』)との座談会、サンドロビッチ・ヤバ子(『ケンガン』シリーズ)ら担当作家8人のインタビューも収録!
『ケンガンアシュラ』『ダンベル何キロ持てる?』『モブサイコ100』『青のオーケストラ』『灼熱カバディ』『Helck』『雷雷雷』『獣王と薬草』……ヒット作を何本も手がけ、若手作家の連載作品を20本以上立ち上げてきた現役編集者が、後輩編集者にこっそり教えていた面白い作品を作るための裏技を書籍化!
マンガ家との打ち合わせや協働のなかで培った経験と技術をもとに、「何を題材にするか」という企画の悩みから、「セリフの文字のサイズをどうするか」といった細部の仕上げまで、マンガ制作の重要な工程で使えるコツ(裏技)を余すことなく詰め込んだ本書。企画・ネタ、世界観・キャラクター、ストーリー・構成、コマ割り、作画・仕上げと工程ごとに読者の感情を揺さぶるためのコツが50章に分けて書かれており、制作中つまづいたところからでも読める設計になっています。
『ケンガンオメガ』『ダンベル何キロ持てる?』『青のオーケストラ』『雷雷雷』『獣王と薬草』といった実際のヒット作の連載準備資料や下書きをもとにマンガ制作のコツを解説しており、説得力のある内容となっています。加えて、マンガ編集者に向けた章(10および50ほか)も用意しており、マンガ家だけではなくマンガ編集者にとっても参考になること請け合いです。
巻末にはONE(『モブサイコ100』)とヨシアキ(『雷雷雷』)と著者との座談会を収録! いかに編集者とマンガ家が協働しているか現場の空気感が伝わるだけではなく、商業マンガ家の制作の裏側を覗けます。
加えて、サンドロビッチ・ヤバ子(『ケンガン』シリーズ、『ダンベル何キロ持てる?』『一勝千金』原作)、だろめおん(『ケンガン』シリーズ作画)、阿久井真(『青のオーケストラ』)、武蔵野創(『灼熱カバディ』)、MAAM(『ダンベル何キロ持てる?』『一勝千金』作画)、七尾ナナキ(『Helck』『異剣戦記ヴェルンディオ』)、艮田竜和(『獣王と薬草』原作)、坂野旭(『獣王と薬草』作画)という8人のプロ作家へのインタビューも実施! 編集者による解説だけではなく、マンガ家からのアドバイスも収録することで、より多くのコツを学べる構成になっています。
プロになりたい人だけではなく、投稿作や次作の構想に行き詰まっているプロの人にも役立つ、描き続けるためのコツが詰まった1冊です。
目次(仮)
はじめに ルールではなくヒント
第1部 企画・ネタは選べ、磨け!
1 マンガの面白さは料理の美味しさに似ている
2 商業デビューで避けられないアートと商品のバランス
3 面白さ=わかりやすさ+新しさ
4 組み合わせでアイデアを膨らませ、切り口や軸を決める
5 軸がブレないようコンセプトやテーマに立ち返る
6 好きな題材、詳しいネタほど否定的な意見を考える
7 連載作品の題材は続けられる、映える、描けるを重視
8 自分の長所や持ち味を考え武器を見つける
9 投稿作品は読後感が大事
10 届けたい読者層と連載の企画書
まとめ 企画を考えるとは核を決めること
第2部 世界観・キャラクターは探し、潜れ!
11 世界観の三つの層と情報の出し方
12 差別化と取材でリアリティーを生む
13 ファンタジー設定を不自然に見せないための注意点
14 時間もイメージし、絵から世界観を立ち上げる
15 キャラクターを構成する二つの要素
16 「キャラが弱い」を回避するには?
17 主人公は目立つだけじゃダメ
18 オーディション法、投影法、発掘法
19 カメラテスト、プロファイリング、相棒探し
20 ギャップとリアクション
21 動機や環境の具体化と、質問と対話
22 振り幅テストと三角関係
23 判断・行動の基準と感情が乗ったセリフ
24 風変わりな部分と欠点
25 悪役から主人公の信念を浮き彫りにする
まとめ 魅力的な世界観とキャラクターを生み出すために
第3部 ストーリー・構成は刺せ、揺らせ!
26 長編ストーリー、連載作品の作り方
27 オムニバス、読切作品の作り方
28 連載一話目はセットアップと感情移入を意識しよう
29 セントラルクエスチョンとターニングポイント
30 キャラクターの感情を揺さぶる良い質問をしよう
31 アンチテーゼとカタルシス
32 嫌悪感のラインを考える
33 近景、中景、遠景と媒体による違い
34 期待は裏切らず、予想は裏切る
実践編 セットアップの具体例
実践編 章の構成の具体例
まとめ 読者の心を震わせるための試行錯誤
第4部 コマ割りはわかりやすく、気持ち良く!
35 視線誘導と画面のメリハリ
36 ヒキとめくりの基準と新基準
37 アングルとコマの形で躍動感を生み出そう
38 フキダシと文字の配置を考える
実践編 日常・コメディーの例
実践編 バトル・アクションの例
まとめ 読者の視線をデザインするために
第5部 作画・仕上げでメリハリをつけ、印象に残せ!
39 そのキャラクターならではの表情とタッチの変化の効果
40 光と影の表現でリアリティーと空気感を生み出す
41 崩し顔と空間の見せ方
42 白黒バランスを意識する
43 描き文字、フキダシも「絵」として描く
44 集中線は効果的に
45 汗、血、飛沫、シワの表現でスピード感や説得力を高める
46 フキダシ表現で使えるテクニック
まとめ あなただけのオリジナリティーを磨くために
第6部 マンガ家になる、続ける!
47 商業マンガ家になるまでの流れ
48 投稿作品のコツと媒体選び
49 編集者とのトラブル回避法
50 マンガ編集者に向けたアドバイス
まとめ マンガ家を続けるための極意
現場のリアル座談会 マンガ家と編集者はどう組むのか?
マンガ家インタビュー 描き続けたい人へのメッセージ
おわりに 誰かの火種になれたら
プロフィール
小林 翔(こばやし・しょう)
千葉県生まれ。2008年、小学館入社。『CanCam』編集部、『週刊少年サンデー』編集部を経て、2012年にウェブマンガサイト『裏サンデー』、2014年にマンガアプリ『マンガワン』を立ち上げる。現在、『マンガワン』で副編集長を務める。担当作に『ケンガンアシュラ』『ケンガンオメガ』『ダンベル何キロ持てる?』『一勝千金』『モブサイコ100』『青のオーケストラ』『灼熱カバディ』『Helck』『異剣戦記ヴェルンディオ』『雷雷雷』『獣王と薬草』『だがしかし』などがある。