フィルムアート社は、小説や映画脚本、アニメ、マンガ、ゲームシナリオなど、あらゆるジャンルの物語創作に役立つ書籍を多数出版しています。
また、これらの書籍から、小説執筆に役立つ知識やテクニックをテーマごとに整理した連載「きちんと学びたい人のための小説の書き方講座」を、カクヨムにて連載中です。
では、これらの中で、もっとも売れているのはどの本なのでしょうか?
その疑問にお応えするため、売上データをもとにした「売上ランキングTOP10」(2025年10月15日更新)を作成しました。第1位から順に紹介します。
どの本から読めばよいか迷っている方は、まずこちらの上位書籍から手に取ってみてください。
創作者のための読書術

創作者のための読書術
読む力と書く力を養う10のレッスン
エリン・M・プッシュマン=著
「読む」解像度が上がれば、「書ける」ようになる!
作家は他の作品をどう読んでいるのか?──プロの書き手の読み方を知ることで、小説やエッセイ、漫画からウェブメディア上での執筆まで、書く技術を向上させよう
優れた作家になるための第一歩は、優れた読書家になること。プロの書き手が行っている「分析的読み方」を学ぶことで、自分の作品を書き出す一歩が見つかり、さらに書き手としてのスキルを高めることができる──そんな「書く」ための学びとなる読書術を徹底伝授。ジャンル、ナラティブアーク、キャラクター造形、語りの視点など、執筆術の使われ方をひもときながら、現代の小説やノンフィクション、詩、SNS、ブログなどの豊富な引用例を繰り返し読むことで、創作に役立つ効果的な読み方=精読が自然と身につく一冊。
ためし読み
プロローグ
SAVE THE CATの法則

SAVE THE CATの法則
本当に売れる脚本術
ブレイク・スナイダー=著
世界中で100万人が支持する、創作指南書の決定版!
「ログライン」「ブレイク・スナイダー・ビート・シート」「10のジャンル」「セーブ・ザ・キャット(=猫を救え)」──
シンプルかつ実践的なこれらのメソッドは、映画、小説、漫画、アニメ、TRPG、ゲームなど、あらゆる物語創作の現場に浸透し、日本のトップクリエイターにも大きな影響を与えてきた。
「書きたい」を「書ける」に変えるための、創作者必携の一冊。
「小難しい分析本はいらない。シンプルで、しかも大手映画会社が本当に買ってくれる脚本を書くための最低限のコツを教えてほしい!」──そんな切実な声に応える、目からうろこの超実践的マニュアル。
感情類語辞典[増補改訂版]

感情類語辞典[増補改訂版]
アンジェラ・アッカーマン、ベッカ・パグリッシ=著
言葉にならない感情を描く
本書は、人間の喜怒哀楽を項目化し、それぞれの感情に由来する行動や反応を集めた、創作者のための新しい「類語辞典」です。 本書が手元にあれば、お決まりの表現に頼らずに、登場人物をより人間らしくリアルに描き、物語を引っ張っていく魅力的なキャラクターを生み出すことが可能になります。
ある感情における、目に見える「外的なシグナル」、体の内側に起こる「内的な感覚」、心理状態を表わす「精神的な反応」、そしてその感情が強烈だったり、長期にわたる場合のサインや、本人が周囲に隠したり、自覚がない場合のサインなど…… ひとつの感情につき、60〜90個前後の「類語」が収録されています。
増補改訂版ではより細かい感情を表現するために、項目数が75から130と大幅に増量。「読むだけで心に突き刺さる」と評判だった、悩める創作者を導く「まえがき」の部分も加筆されています。
さらに、各感情に結びついた行動を描写しやすくするため、その感情を強く想起させる動詞のリストを新たに追加。また、キャラクターの感情が今後どう移り変わっていくのかをわかりやすくするため、各感情が発展あるいは後退すると、どの感情に至るのかが参照できるようになりました。
小説家だけでなく、脚本家、シナリオライター、漫画家、さらには演出家や俳優など……物語の執筆だけでなく、キャラクター作りや役作りといった「人間を表現する仕事」のよき相棒として、あらゆる創作者を助けてくれる「類語辞典」です。
感情増幅類語辞典

感情増幅類語辞典
アンジェラ・アッカーマン、ベッカ・パグリッシ=著
キャラクターを窮地に追い込み、その感情を揺さぶれば、必ず読者は共感する──創作者のバイブル『感情類語辞典[増補改訂版]』と併用してさらに感情の表現を豊かにできる、頼もしい副読本が登場!
本書では、キャラクターの感情そのものではなく、感情を大きく《増幅》させるシチュエーションに注目。つまり、キャラクターがなんらかの窮地に立たされ、それまで抑圧していた感情を大爆発させるきっかけとなるような、具体的な状況や条件を紹介しています。そのような感情増幅器=〈感情ブースター〉を投入すれば、キャラクターは自ずと心のバランスを崩し、物語を大きく前進させてくれるでしょう。普段は理性的なキャラクターが突然わっと泣き出してしまうようなとき、読者は感情移入し、共感してくれるはず。本書があれば、ギャップを抱えたリアルなキャラクターを生み出し、説得力あるストーリーを作ることができます。
ためし読み
ストーリーにはなぜ感情が必要か
「感情」から書く脚本術

「感情」から書く脚本術
心を奪って釘づけにする物語の書き方
カール・イグレシアス=著
最初の10ページがすべて?
いや、1ページ目からいきなり大事だし最初の文節、最初の単語も蔑ろにしてはいけない
本書は、読者や観客の感情を掻き立て、心をつかんで離さないためのあらゆる設計を、あますところなく伝授します。ビジネスとしての映画はいったい何を売っているのでしょうか? それは人間の感情です。感情的体験を映画やテレビというパッケージにして販売しているのです。つまり、何が読者を最も興奮させるのかを知り、感情的に巻き込んでしまう方法を見つけ出すことが、売れる物語をつくるために極めて重要なのです。 本書では、名作の脚本を徹底的に解体し、その語り方を分析します。そして読者の心に特定の感情やイメージを浮かび上がらせ、心を動かすために必要な技巧を指南しています。脚本を書く上で本当に大事なこと=「脚本を読む人に感情的な体験を提供すること」にとことんこだわった一冊です。
ためし読み
イントロダクション:感情をお届けする商売
脳が読みたくなるストーリーの書き方

脳が読みたくなるストーリーの書き方
リサ・クロン=著
「心」ではなく、読者の「脳(ドーパミン)」を刺激せよ!
脳はストーリーをどう認識するのか? そして、どのようなストーリーに夢中になるのか? 面白いストーリーは、私たちの意識を常に集中させ、他のことに気をそらせません。つまり、ストーリーを書くうえで重要なポイントとは、「次に何が起こるか知りたい」という脳の欲求を常に引き出し続けることにあります。それが欠落していたら、どんな美しいメタファーも魅力的なキャラクターも、読者を満足させることはできないのです。本書では、小説、映画脚本、短編などの実例を参考にしながら、脳を満足させるためのストーリーの書き方を指南します。人間の“認知的無意識”が明らかにする、物語創作の実践ガイド。
ためし読み
Introduction はじめに
SAVE THE CATの法則で売れる小説を書く

SAVE THE CATの法則で売れる小説を書く
ジェシカ・ブロディ=著
映画脚本術の超定番「SAVE THE CATの法則」シリーズに、小説の書き方バージョンがついに刊行!
「SAVE THE CATの法則」は、映画やテレビドラマなどの映像業界において、シド・フィールドの脚本術やロバート・マッキーの『ストーリー』とともに、”物語創作メソッドの権威”として知られています。本書は、その「SAVE THE CATの法則」を用いて小説の書き方に応用した内容になります。大事な鍵は、ペースの配分。テンポが良くて、視覚的で、登場人物の成長が興味深くて、もれなく構成されている小説なら、どんな大予算映画とも互角に戦えます。そして勝てる。10の物語ジャンル、15段階のビート・シートでベストセラー小説を徹底分析し、物語の描き方をやさしくレクチャーします。
文体の舵をとれ

文体の舵をとれ
ル=グウィンの小説教室
アーシュラ・K・ル=グウィン=著
技巧(クラフト)が芸術(アート)を可能にする
『ゲド戦記』『闇の左手』のアーシュラ・K・ル=グウィンによる小説家のための手引き書
ハイファンタジーの傑作『ゲド戦記』や両性具有の世界を描いたフェミニズムSF『闇の左手』などの名作を生み出し、文学史にその名を刻んだアーシュラ・K・ル=グウィン。本書は、ル=グウィンが「自作の執筆に励んでいる人たち」に向けて、小説執筆の技巧(クラフト)を簡潔にまとめた手引書です。
音、リズム、文法、構文、品詞(特に動詞、副詞、形容詞)、視点など、ライティングの基本的なトピックを全10 章で分かりやすく解説。各章には、ジェイン・オースティンやヴァージニア・ウルフ、マーク・トウェイン、チャールズ・ディケンズなど偉大な作家が生み出した名文が〈実例〉として収録され、ル=グウィン自身がウィットに富んだ〈解説〉を加えています。また章末に収録されている〈練習問題〉を活用することで、物語のコツと様式について、自らの認識をはっきりと強固にすることが可能になります。
ためし読み
第5章 形容詞と副詞
訳者解説
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ストーリー

ストーリー
ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則
ロバート・マッキー=著
これぞ物語創作のバイブル
ストーリーテリングの分野で世界的に最も影響力のある「現代のアリストテレス」ロバート・マッキーによる伝説的のセミナーが書籍化
本書では、脚本家が学ばなければならないストーリーの普遍的な「型」を解説するとともに、キャラクター造形の方法、または物語に必須の「事件」の描き方とその設定の仕方を徹底的に掘り下げます。
これまで、ストーリーとキャラクターは別のものであるかのように扱われていましたが、マッキーは「ストーリーの構造とはキャラクターのことであり、キャラクターとはストーリーの構造のことである」と強く主張します。本書は、物語の「内容」にふさわしい「形式」を、ストーリーを創作する上で実際にどのように与えるかということを詳説しています。ハリウッドだけでなく世界中に多大な影響を与え続けている伝説のシナリオ講師ロバート・マッキーの最重要著作。
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映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと

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シド・フィールドの脚本術
シド・フィールド=著
「三幕構成」の完全解説
すべての脚本術はこの本からはじまった
世界で一番読まれているシド・フィールドの脚本術の邦訳です。良い映画は良い脚本から生まれます。世界で初めて映画の脚本を分析し、構成のパラダイムを考え出した著者が、映画の持つ力と本質を教える名指南書。あらゆる物語創作の基礎となる「三幕構成」について解説した必読の1冊です。現在存在するほとんどの脚本術・物語創作術は、本書を下敷きにしているといっても過言ではありません。物語創作の正典(カノン)ともいうべき必読書。
ためし読み
第1章 映画脚本とはなにか