シティ・ポップ文化論

日高良祐=編著
柴那典/加藤賢/宮沢章夫/川村恭子/輪島裕介/小泉恭子/大和田俊之/金悠進/楠見清/江口寿史=著
発売日
2024年2月23日
本体価格
2,200円+税
判型
四六判・並製
頁数
268頁
ISBN
978-4-8459-2141-6
Cコード
C0073
刷数
2刷
装画
江口寿史
装丁
川名潤

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シティ・ポップから考える都市・音楽・イメージ

シティ・ポップを準備した70 年代の都市文化から80 年代の流行、そして2020 年代の世界的なリバイバルまで
現在進行系のカルチャーの輪郭を捉える9 つの講義を収録!

70~80年代の日本で流行し、近年、国内外のミュージシャンやリスナーから再発見されリバイバルしている「シティ・ポップ」。雑誌、書籍、テレビやラジオなど、さまざまなメディアで特集されるなど、シティ・ポップは今まさに再定義・再言説化されつつあるが、本書ではそうした議論を踏まえ、さまざまな領域を専門とする執筆者が、シティ・ポップを取り巻く流動的な状況と歴史を、多角的に分析する。

インターネットを中心に起きた現在のリバイバル、80年代当時の文化的状況、シティ・ポップを準備した都市文化の隆盛、世代を超えた評価の背景、アジアやアメリカなど諸外国での受容と展開など……シティ・ポップを起点に、都市、音楽、イメージ、そしてそれらの関係性について考えていく。

2022年に東京都立大学で開催され大きな話題となった連続講義が待望の書籍化。

メディア掲載


目次

はじめに 日高良祐
第1講 ミームの幻視と音楽ビジネスの都市再開発 柴那典
第2講 シティ・ポップの「シティ」はどこか──ポピュラー音楽の都市論 加藤賢
第3講 シティ以前の東京から──移動と切断から考える都市文化 宮沢章夫
第4講 一地方都市としての東京──シティ・ポップの原風景 川村恭子・輪島裕介
第5講 記憶に埋め込まれた音楽 小泉恭子
第6講 上京者のポップ──そしてディスコから見たシティ・ポップ 輪島裕介
第7講 東南アジアのローカルな「シティ・ポップ」──シティ・ポップにカギ括弧をつける 金悠進
第8講 リバイバルのテクスチャー──スタジオ・ミュージシャンとテクノオリエンタリズム 大和田俊之
第9講 同時代としてのシティ・ポップ 江口寿史・楠見清

プロフィール

[編著]
日高良祐(ひだか・りょうすけ)
1985年宮崎県生まれ。京都女子大学現代社会学部講師。専門はメディア研究、ポピュラー音楽研究。編著に『クリティカル・ワード ポピュラー音楽─〈聴く〉を広げる・更新する』(フィルムアート社、2023)、分担執筆に『ポストメディア・セオリーズ─メディア研究の新展開』(ミネルヴァ書房、2021)、『技術と文化のメディア論』(ナカニシヤ出版、2021)など。

[著]
柴那典(しば・とものり)
1976年神奈川県生まれ。音楽ジャーナリスト。京都大学総合人間学部を卒業、ロッキング・オン社を経て独立。音楽を中心にインタビューや執筆を手がけ、テレビやラジオへのレギュラー出演など幅広く活動する。著書に『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』(太田出版、2014)、『ヒットの崩壊』(講談社現代新書、2016)『平成のヒット曲』(新潮新書、2021)、共著に『渋谷音楽図鑑』(太田出版、2017)、『ボカロソングガイド名曲100選』(星海社新書、2022)など。

加藤賢(かとう・けん)
1993年愛知県生まれ。大阪大学文学研究科文化表現論専攻博士後期課程。専門はポピュラー音楽研究、都市社会学、文化政策学。論文に「渋谷に召還される〈渋谷系〉─ポピュラー音楽におけるローカリティの構築と変容」(『ポピュラー音楽研究』24号、2020)、共著に『シティポップとは何か』(河出書房新社、2022)、『クリティカル・ワード ポピュラー音楽─ 〈聴く〉を広げる・更新する』(フィルムアート社、2023)、The Life, Death, and Afterlife of the Record Store: A Global History (New York: Bloomsbury Publishing, 2023)など。

宮沢章夫(みやざわ・あきお)
1956年静岡県生まれ。劇作家・演出家・作家・早稲田大学文学学術院教授。1990年、演劇ユニット「遊園地再生事業団」を結成し、1993年戯曲『ヒネミ』(白水社)で岸田國士戯曲賞を受賞、2010年『時間のかかる読書』(河出文庫)で伊藤整文学賞(評論部門)を受賞。2022年9月死去。

川村恭子(かわむら・きょうこ)
東京都生まれ。音楽を中心とする文筆業。19歳から20歳にかけてNHK-FM『サウンド・ストリート』のDJを学生ながら担当。その後、「春一番コンサート」や「ハイド・パーク・ミュージック・フェスティバル」など音楽に関わるイベントやライブを企画、テレビ番組のリサーチ、企画、構成なども手がける。編共著書に『THE BOOM 海を渡る唄』(JICC出版局、1993)、『風都市伝説─1970年代の街とロックの記憶から』(音楽出版社、2004)の構成協力執筆など。

輪島裕介(わじま・ゆうすけ)
1974年石川県生まれ。大阪大学大学院人文学研究科芸術学専攻教授(音楽学)。専門はポピュラー音楽研究、近代音曲史。著書に『創られた「日本の心」神話─演歌をめぐる戦後大衆音楽史』(光文社新書、2010)、『踊る昭和歌謡─リズムからみる大衆音楽』(2015)、『昭和ブギウギ─笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』(以上NHK出版新書、2023)など。

小泉恭子(こいずみ・きょうこ)
1966年生まれ。中央大学兼任講師。専門は音楽社会学、ポピュラー音楽研究、メディア文化論。主著に『音楽をまとう若者』(勁草書房、2007)、『メモリースケープ─「あの頃」を呼び起こす音楽』(みずす書房、2013)。

金悠進(きむ・ゆじん)
1990年大阪府生まれ。東京外国語大学講師。専門はインドネシア地域研究。著書に『ポピュラー音楽と現代政治―インドネシア─自立と依存の文化実践』(京都大学学術出版会、2023、樫山純三賞)、『越境する〈発火点〉─インドネシア・ミュージシャンの表現世界』(風響社、2020)など。

大和田俊之(おおわだ・としゆき)
1970年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。専門はポピュラー音楽研究。著書に『アメリカ音楽の新しい地図』(筑摩書房、2021)、『アメリカ音楽史』(講談社、2011)、編著に『ポップ・ミュージックを語る10の視点、2020』(アルテスパブリッシング)。その他に長谷川町蔵との共著『文化系のためのヒップホップ入門1、2、3』(アルテスパブリッシング、2011、18、19)など。『山下達郎のBRUTUS SONGBOOK』(マガジンハウス、2018)の解説を担当。

楠見清(くすみ・きよし)
1963年生まれ。東京都立大学システムデザイン学部インダストリアルアート学科准教授。専門は出版学、文化政策学、芸術評論。単著『ロックの美術館』(シンコーミュージック・エンタテイメント、2013)、『無言板アート入門』(ちくま文庫、2023)、『ポップ・オン!』(2024年春刊行予定)。展覧会キュレーション「TOKYO ARTE POP江口寿史×ルカ・ティエリ二人展」など。

江口寿史(えぐち・ひさし)
1956年熊本県生まれ。マンガ家・イラストレーター。1977年「週刊少年ジャンプ」でマンガ家デビュー。代表作に『すすめ!!パイレーツ』、『ストップ!!ひばりくん!』など。80年代からはイラストレーターとしても活動。広告、本の装画、レコードジャケットなど幅広く手がける。1992年『江口寿史の爆発ディナーショー』で、第三八回文藝春秋漫画賞受賞。